褒めて伸ばしたかった話



褒めるというのが、軽く苦手でした。

「軽く」というのは、

けして嫌ではなかったってこと。

どちらかと言えば、

褒める、褒めて伸ばすのはいいことだと

考えていました。

 

ただ、なんだか

うさん臭く思われるんじゃないか、と。

 

それが気になってたんですね。

 

 

ずいぶん昔に、こんなことがありました。

 

かつての絵の勉強、デッサンってのは、

褒めて伸ばすなんて発想はあんまりなくて、

まあ、ダメ出しの連続なわけです。

 

で、ぼくは

「本来はいいところや個性を見つけて

 伸ばすべきじゃないか」

と思っていたわけです。

 

美大に合格すると、

予備校の夏期講習や冬季講習に

講師として呼んでもらえたりするのですが、

その時に意識して褒めたんですね。

美点凝視ですよ。

 

そうしたら、久保田くんに言われました。

「スギオカ先生は褒めてばっかりだから

 信用できんなあ」と。

 

ションボリです(笑)

 

 

今だったら

「いやいや、そういうことじゃないんだよ」

と言えたりもしますが、

当時はまだ若かったし、

そういう教え方自体を誰もやってなかったので

面とむかって言われると

「通じないのかなあ」と思って

自然と「普通」になっちゃいましたね。

 

もったいなかった。

 

 

いずれにしても、それもまた

『全ての因は我に在り』。

強い信念を持てば良かった、という

自分の人生の教訓だと考えています。

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