
顔についた汚れをふくためには鏡を使いますが、
往々にして人は鏡をふいて汚れを取ろうとします。
不思議な話ですが、そうしちゃうんですね。
本当に顔の汚れを取りたければ、当たり前ですが、
顔をふかなければなりません。
これ、
まわりの人を正そうと思ってもなかなかうまくいかず、
結局のところ自分の在り方を見直すことが必要だ、と。
主に人間関係の根本的な解決策をを伝えるために
引き合いに出されるたとえ話です。
怒った顔をしていれば、まわりの人も怒った顔だし、
笑った顔をしていれば、笑顔が返ってくる、と。
内容的には難しい話ではありませんが、
腑に落とすのは容易じゃないんですよね。
さらに言えば、実践となると非常にハードルが高い。
自分を変えることってなかなかできませんから。
そう言えば
「顔を洗って出直してこい」って表現がありますね。
本来は「寝ぼけたことを言うなよ」って意味ですが、
この文脈で拡大解釈すると楽しいです。
「まだ、顔に汚れがついてるよ」と
なんだか親切な響きで聞こえてきます。
そうした考え方は「笑う門には福来る」にも通じますね。
福が来てから笑おうと思っているのは
鏡の中の顔を先に変えようとする感じ。
自分が笑えば、おのずと鏡の中の顔(=状況)も
変わっていきますから。
そっちが先なんですね。