
昔、辻村ジュサブローさんの人形による『新八犬伝』
という番組がありました。
NHK総合で平日夕方に毎日15分の放送。
1973(昭和48)年4月から1975(昭和50)年3月までの
全464話という、圧倒的な重量感の番組でした。
原作は、曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』。
「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」
の珠を持つ八犬士の冒険活劇です。
ところで、その八文字の中ではどれが好きですか?
ぼく自身は「礼」かなぁ。
番組を見ていた頃は、
主人公である犬塚信乃にひっぱられる形で
「孝」の文字にひかれていましたが、
今では形も意味も礼が好きです。
ちなみに、平仮名も礼からつくられた「れ」が好き。
下がっては上がるをくり返す、
ドラマチックな筆の動きにぐっときます。
もともとの意味としては、
「礼」は甘酒を神に捧げて幸福を祈る儀式を
あらわしていたそうです。
転じて、挨拶も意味します。
いずれにしても
「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」
の文字はどれもいいですね。
身のひきしまる感じがあります。
この番組はマスターテープが消去されてしまっており、
一般にビデオで出まわる以前の時代だったことから
ごく一部をNHKアーカイブスで見られるだけですが、
ご興味ある方はこちらでどうぞ。
https://www.nhk.or.jp/archives/search/special/detail/?d=puppet-anime004